SEPPOTLアンプ出力段の調整   平成20年7月24日    
 出力段の調整は一番神経を使うところであるが、歪率等は別にして、テスターが2台あれば調整可能である。 3台あれば十分で、1台では難しいと思われる。また、リード線の先端を蓑虫クリップに交換したものがあれば操作性が良く、危険性も少ない。
 調整は以下の手順で実施する。
  1. バランス調整用のVR1、VR2は中央に合わせる。
  2. バイアス電圧調整用のVR3,VR4の抵抗値は最小、バイアス電圧最大位置に合わせてから電源SWを投入する。
  3. プレート電流が流れ始めたら、V1、V2の指示値が0VになっるようVR1、VR2をセットする。
  4. V3の指示値が0.5V(プレート電流100mA)に、V4の指示値が1V未満に入るようにVR3、VR4をセットする。なお、この段階は仮調整である。
  5. 10分ほど経過してプレート電流が安定した後、(3),(4)を再度調整する。今度はV3指示値を0.55V(プレート電流110mA)に、V4指示値を0.1V以内に入るようにセットする。
  6. もう一度、V1、V2を0Vに、V3を0.55Vに合わせ、V4を0.1V以内に調整すれば完了である。
 V1、V2の指示値が0Vであれば4本のプレート電流はすべて等しく、、V3の指示値を5で割った値がプレート電流値を表す。また、V4の値が0Vであれば上下段のプレート電圧は同じとなる。
 V4の指示値は電源を再投入しただけでも狂っている事が多く、常時0.1V以内にセットすることはほとんど不可能である。 実際の使用状態では0.5V未満に入っていれば十分である。 使用状態にも影響されるが、少なくとも1年に1度程度は調整を実施した方が安心である。
 水平出力管の場合、調整は比較的容易であるが、6080族の場合はプレート電流が安定するには20分近く待たねばならない。 さらに、バイアス電圧を調整しても、安定状態に至るまでに時間を要するので、調整作業は非常に煩雑で、根気を必要とするものである。

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