変流器内蔵整流型交流電流計改造記その2  平成17年10月30日  


改造前の5A交流電流計


 前回500mA直流電流計を製作したが、フルスケール50mA程度の直流電流計の必要を感じていた。 前回製作した電流計の分流抵抗を切り替える方法も考えたが、もう1台同じ電流計があったのでそれを改造することにした。 しかし目盛りをそのまま利用したのでは誤差が一定でなく分流抵抗値の調整のみでは正確に合わせることが出来なかった。 そこで、目盛りを消して実測に基づいて書き込むことにした。 (もともとこのメーターの目盛りは手書きされていた。) 前回は目盛板の読み取り数値を100倍して単位をmAに読み替える方法であったが、今回は10倍する方法である。

 分流抵抗値は内部抵抗180Ω、フルスケール位置に於ける電流値0.75mAのデータから計算すれば、

 分流抵抗値=180×0.75÷(50−0.75)≒2.74(Ω)となる。
 なお、このメーターはフルスケール位置より右へかなり回転角の余裕があったので、分流抵抗は3Ωを使用して60mAフルスケール仕様とする。 また、目盛りを書き直すのであるから分流抵抗値に正確さは要求されない。 この状態でデジタルテスター電流計と直列にして直流電源に接続し、電流の調整は直流電源一次側に挿入したスライダックで行い、2mAごとにデジタルテスターの指示を確認しながら60mAまで目盛りを仮記入した。 その後メーターパネルを取り外してマジックペンで清書した。

 これで60mA直流電流計が完成した。内部抵抗が3Ωと少し大きいが、メーターの感度から考えて致し方ないことである。 一般のデジタルテスターでも3Ω前後である。

 完成後、デジタルテスターとの指示値の比較を行ったが、50mA以上では2%強の誤差を生じていた。 せっかく実測して目盛りを手書きしたにもかかわらず誤差を生じているので、もう一度書き直すか迷ったが、40mA以下はかなり正確であるので、しばらくはこの状態で使用することにした。 このメーターは指針の支持構造が非常に精密に作られており、わずかな傾きでも指示値が変化する。 出来上がった目盛りは上部と左右で目盛り間隔が等しくないが、指針のバランスが少し狂ってしまったようである。 指針の指示側がわずかに重く、指針が左右の位置で重力の影響(指示側が下がる)を受けているようである。

 前回製作の500mA電流計とともにパネル並べてに取り付けて完成である。個別に使用できるようにするか、あるいはSWで切り替えるかであるが、同時に使用する可能性は低いと考えてSW切り替え方式とした。 その結線図は左図の通りである。

完成した500/60mA直流電流計
背 面

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