7C5ウルトラリニアーPPアンプ再改造   平成28年12月15日 


7C5ウルトラリニアーPPアンプ


《 はじめに 》
 平成27年3月に自作したオールロクタル管で構成した7C5ULPPアンプは、初段に使用した7L7のヒーターカソード間漏えい電流に悩まされていた。
 手元に7N7が2本残っていたので初段を7N7パラに交換し、OPTと電源トランスも交換し、出力増を狙って改造した。 ちなみに7C5は6V6GT、7N7は6SN7相当管である。

《 使用部品 》
 OPTはハシモトトランス製HW−15−8からタンゴ製CRD−8に、電源トランスはタンゴLH-150を特注トランスに交換する。 CHコイルはノグチトランスPMC-228Hを流用する。 ケースは奥澤製O−8に艶消しの黒を吹き、側面には水性クリアーニスを塗った板を取り付けたものを流用する。

《 回路構成 》
 初段は前作の7L7(T)を7N7パラに変更したのみで、位相反転段と出力段は変更していない。
 B電源は260Vブリッジ整流、コンデンサーインプット方式に変更した。 CHインプット時はPMC-228HがSWオン直後に少しうなり音を発していたが、コンデンサーインプット方式にしたことで改善された。 B電圧が7C5の最大定格を10%ほど超えているが、この程度であれば問題ないと思われる。 無信号時のプレート損失とスクリーン損失の合計は約11Wとなっている。

《 最大出力、測定結果 》
 入力0.93Vで8.5Wの最大出力が得られ、前作を40%程度上回る出力が得られた。原因はプレート電圧を高くした結果である。 20HZにおける最大出力は中域の60%が得られ、まずまずの低域特性である。 残留雑音はLR共に0.17mV未満、DFはLR共に4.8であった。
 周波数特性では180KHZ付近にディップ、230KHZ付近にピークが発生しているが、それ以上ではなだらかに減衰している。 10KHZ矩形波応答では小さなリンギングが発生しているがまずまずの特性となっている。
 クロストーク特性はかなり良好であるが、残留雑音の影響を排除すれば中域では100dB程度と思われる。

《 その他 》
 7L7使用時はヒーターカソード間漏えい電流の影響を避けるために直流点火を余儀なくされていたが、7N7に交換後は交流点火でも残留雑音は十分低値となった。



内部配線



背  面

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