12B4A×2SEPPラインアンプ            平成29年9月11日

12B4A×2SEPPラインアンプ


《 はじめに 》

 MJ誌の広告に載っていた12BH7A×4ラインアンプについて岡山と奈良の方から相談が寄せられた。 調べてみるとSEPPOTL回路であり、特に難しいとも思えなかったので、自己流にアレンジしてこのアンプを製作することにした。

《 使用部品 》

 シャーシは奥澤製O−9(350×200×60)にシルバーメタリック塗装を施して使用する。 12AU7Aはシルバニア製2本、12B4AはGE製4本、6CA4は松下製を使用する。
 電源トランスは手持ちの中からSEL製SD−100を使用、CHコイルは西崎電機に特注した50H30mA2個を左右別で使用する。

《 回路構成 》

 回路は以前製作した12B4A×2SEPPOTLヘッドホンアンプをアレンジして製作する。 初段は12AU7A差動型位相反転回路、ブートストラップ型打消し回路を採用、出力段は12B4Aの自己バイアス方式とする。

《 測定結果 》

 参考にしたアンプは無帰還であったが、完成後の試聴では利得が大きすぎて使い勝手が悪かった。 残留雑音の低下にも効果があることから4.6dBのNFBを掛けることにした。
 周波数特性は10HZ−0.3dB、1MHZで−2dBと極めて広帯域であった。矩形波応答も全く問題ない。 1V出力時の歪率は0.02〜0.025%程度、出力電圧5Vまで0.1%を下回った。 出力電圧0.5V以下は自作歪率計の測定限界、11.5V以上は発振器出力電圧不足のため測定不能であった。
 ノンクリップ最大出力電圧は約25Vが得られたが、ラインアンプとしては十分な余裕である。
 クロストーク特性は高域で少し悪化しているが極めて良好、残留雑音は0.07mVであった。 出力端子に80Ωを接続したところ出力電圧が半分に低下したことから、出力インピーダンスは約80Ωと思われる。

《 その他 》

 はじめ、初段のカソード帰路をマイナス10Vに接続していたが、SWオンから約10〜15秒間初段カソードがマイナスになり、その結果バイアス電圧がプラスとなってグリッド電流が流れる現象が発生した。 その間にVRを操作するとガリが発生していた。
 そこでマイナス電源を撤去、CRDをアースに接続した。さらにVRの後部に0.47μFと100KΩを挿入したところ、ガリの発生はなくなった。 B電源の電解コンデンサー容量が大きいために真空管整流では立ち上がりが遅くなることが原因と思われる。
 マイナス電源を使用した場合、歪率が低下し、最大出力電圧も50Vに達するが、ラインアンプではその必要もない。



背  面


内 部 配 線












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