トーンコントロール付きラインアンプNo.6   令和2年5月20日  

トーンコントロール付きラインアンプNo.6


《 はじめに 》

 このラインアンプは島根県のS氏からの依頼で製作した。フォノイコライザーはお持ちなのでトーンコントロール付きとする。

《 使用部品 》

使用した主要部品は下表の通り。

 サブシャーシーはアルミ板(1.5t)とアルミアングルで自作した。

《 回路構成 》

 回路構成はトーンコントロール付きラインアンプNo.2No.3とほぼ同じで、 入力3系統、出力1系統としたものである。
 初段はクロストークを改善するために6C4を2本使用する。ここは12AU7などの双3極管でも構わない。 ひずみ率改善のため、6C4のプレート負荷抵抗を100KΩとした。 また、6C4のカソード抵抗を左右で異なる値としているが、利得調整のためである。
 トーンコントロールはラックス型と呼ばれるNFタイプを採用する。 増減量は少な目(プラスマイナス7dB程度)であるが、フラット位置でうねりが発生しない優れた回路である。
 B電源は230Vを6X4で両波整流し、331Vを供給する。 ヒーターは6.3Vを両波倍電圧整流し、12.5Vに調整して供給する。

《 測定結果 》

歪率は100HZ、1KHZ、10KHZもほとんど同じであったので1KHZのみ測定したが、出力電圧0.7V付近まで0.1%未満となった。 0.25V未満は歪率計の測定限界のため測定していない。最大出力電圧は約25Vであった。
 6C4にカソードバイパスコンデンサーを挿入した場合、利得が大きくなり、VR位置が9時方向となって扱い難い状態となる。 バイパスコンデンサーを省略した結果、カソード帰還の効果でひずみ率が低下し、利得は6.2倍となった。
 周波数特性は10HZ−1.5dB、100KHZ−0.3dBで非常に広帯域に仕上がった。 クロストークは高域で少し悪化しているが、この程度であれば全く問題ない。
 VRを右側に変更した影響でVRと整流管の距離が近くなり、60HZが混入していた。 そこで、6X4とVRの間にアルミ板を挿入したところ、残留雑音は0.06mV未満に低下した。内部写真参照。

《 その他 》

 タカチ製のケースはフロントパネル、リアーパネルともアースを確実に接続しなければ、変な雑音に悩まされることがあるので注意しなければならない。 アルミ表面の処理膜は非電導体であるため、アース線を別途取り付けた方が無難である。 通風孔は上面のみであるが、発熱量が少ないため、温度上昇はほとんどなかった。



後    面


内 側 上 部


内 部 配 線



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