直結カソードフォロアー6HJ5(3結)シングルアンプ   平成23年11月29日 


直結カソードフォロアー6HJ5(3結)シングルアンプ(上部カバーを外した状態)


《 はじめに 》
 このアンプは平成23年2月に製作した5998Aパラシングル2号機の出力管を6HJ5(RCA)に交換したものである。
 外観は右の写真の通り50CA10とそっくりで、ゲッターの位置が異なっていること、コントロールグリッド放熱フィンの大きさ、プレートの側面の穴の形状が異なっているだけで、寸法はほとんど同じである。

《 使用部品 》
 6HJ5は前作の6GB3APPと同じく名古屋のH田氏から譲りうけた中にあった2本を使用した。プレート損失24W、SG損失6Wのコンパクトロン12ピンの水平出力管である。 3結時の許容プレート損失は不明であるが少なくとも27W程度までは大丈夫と思われる。しかし、SG最大電圧は220Vであるから3結時のプレート電圧はそれ以下にしなければならない。

《 回路構成 》
 WEBで検索しても6HJ5のデータは少なく、プレート特性も不明である。カソード抵抗値(バイアス電圧)、負荷抵抗などはすべて手探り状態である。
 まずは5998Aそのままの定数で電源を入れたところ、プレート電流が少し多く、許容プレート損失を少しオーバーした。 そこでカソード抵抗を235Ω20W(470Ω10Wパラ)から470Ω10Wと2KΩ5Wのパラに変更した結果、プレート電流112mAでプレート損失も規格内に収まった。 その時のバイアス電圧は−38.3V、前段のカソード電圧3.7Vを加算した見かけのバイアスは42Vである。
 負荷抵抗は最大出力と歪率から1KΩに設定した。1.2KΩとすれば少し歪が減少するが、最大出力も低下する。反対に800Ωでは歪が多くなるので、その中間の1KΩとした。

《 最大出力、測定結果 》
 プレート電圧188V(230V−42V)、プレート電流112mA、プレート損失は21.1Wで十分規格内に収まっている。
 最大出力は入力電圧1.1Vで7W(1KHZクリップ開始)が得られた。6336B、17KV6A(3結)シングルを上回っているが、5998Aパラシングルを少し下回っている。 なお、RCHの歪率が少し悪い原因は球のバラツキと思われるが、2本しかないのであるから選択の余地はない。
 10KHZ矩形波応答はあまり芳しくないが、前段のカソードCHコイルの存在が影響していると思われる。
 NFBは内外ループ合わせて13.5dB、DFはRch:8、Lch:9.1(ON/OFF法)、残留雑音はRch0.12mV、Lch0.15mVであった。
 20HZにおけるクリッピングレベルは1KHZの36%にとどまっているが、OPT1次インダクタンスが小さい影響と思われる。



左50CA10、右6HJ5


内部配線





LCH 8Ω 1W 矩形波
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)

RCH 8Ω 1W 矩形波
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)







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